Debian GNU/Linux の Macintosh Quadra840AV へのインストール

 この度 Quadra 840AV の OS を NetBSD 1.4 から Debian GNU/Linux 2.2 に変更しましたので、簡単に手順を書いておきます。
 うちの Quadra は HDD 1G(conner)+1.2G(quantum) 、CD-ROM ドライブは松下製の(8100等と同じ)トレイタイプ、メモリは 64MB になっています。今回、モニターには S 端子経由でテレビを使ってインストールしました。あらかじめ MacOS 上で NTSC フリッカフリー設定にしておけば、Linux 起動後もそのままテレビで作業できます。
 なお、PC と共通の部分については、数多の Debian インストール記事がそのまま使えますので、ここでは省略しています。

素材の準備

 まず、準備するものですが、Debian 2.2 m68k install disk 1 の CD イメージを ftp か http もしくは CD を購入するなどして入手します。CD ベンダーはいろいろありますが、m68k まで入ったものを商品化してくれそうなところは残念ながらあまりないようです。
 ダウンロードする場合の注意ですが、インストールディスクは3枚あるのですが、とりあえず1枚目だけで起動や X の起動までいけますので、まずはこれだけで良いと思います。1枚目には通常版と non-US 版とがありますが、non-US 版は通常版に jp などのパッケージがマージされたものですので、non-US 版の方を入手しておきます。ダウンロードした場合には、これを CD-R に焼けば準備完了です。焼き方はソフト次第ですが、「トラックイメージから CD を作成」というような手順にしたがえば大丈夫です。
 それと、パーティションエディタが必要です。高機能なものが手元に無い場合は、pdisk 68k という小さな、そして使いにくいツールがあるので、ダウンロードしておいてください。これは元々 ftp.mklinux.apple.com で配布されていたものですが、現在 ftp.mklinux.apple.com は存在しませんので、ミラーサイトを探して入手します。pub/wip/pdisk の下にあるはずです。

実機の準備

 スタートですが、まず Quadra 840AV を起動します。このとき私のようにすでに NetBSD が入っていたとかでパーティションが切れていたり、新規ディスクに Debian をインストールするという場合にはあまり問題ありませんが、1パーティションが MacOS で充填されているというような場合はちょっと面倒です。
 この場合はなんとかしてまずインストール先の空きパーティションを作って下さい。デフラグメントツールとパーティションエディタで使用領域を詰めるもよし、割り切って初期化して再インストールするもよしです。インストール先として必要なのは A/UX root&usr のパーティションと、A/UX swap のパーティションです。前者は広いに越したことはありませんが、後者はスワップ領域なので数十メガで問題ないです。私はメモリ64M に対し 30M 程度にしています。swap 領域の作成を忘れると面倒ですので、忘れずに確保しておいてください。

 A/UX root&usr と A/UX swap パーティションが用意できていれば、それらのボリュームネームも変えておきましょう。名前の付け方は例の sda1 (scsi disk 1(a=1 b=2...) partition 1) というようなコンベンションになります。scsi id の一番小さい HDD の4番目のパーティションなら sda4 とします。

 前置きの最後に、用意しておいた Debian の CD を Quadra840AV にセットして、中の install/mac フォルダの中の penguin.hqx と linux というファイルを HDD にコピーします。コピーできたら、penguin の方は Staffit expander などでバイナリ形式に戻します。この penguin が Linux の起動プログラム、linux がカーネルです。  penguin アプリケーションを起動して、File メニューから Setting を選択します。ここでは、カーネルファイル、起動デバイス、インストール用の RAM ディスクイメージファイルを設定します。カーネルファイルは先ほどコピーした linux というファイルを選択してください。起動デバイスは、カーネルオプションという項目のところに "root=/dev/ram" と設定します。RAM ディスクイメージは、インストールCD の install/mac/root.bin というファイルを選びます。これらは、どれが間違ってても失敗しますので、気をつけてください。たとえばカーネルが設定されていなければ penguin でエラーになりますが、カーネルオプションや RAM ディスクイメージが設定されていない、もしくは間違っていると linux の起動途中で kernel panic として終わってしまいます。

インストーラの起動

 設定の確認が終わったらいよいよ linux の世界へ入ります。シートベルトを締めて下さい:-) 。
 penguin の File メニューから Boot を選択すると、MacOS を離れ、いよいよ Linux が起動します。ペンギンのイラストが表示されましたか? 設定に問題がなければ、Debian の解説書に載っているような、ブルーのインストーラ画面になります。もし kernel panic 等になった場合には、再起動して、penguin の設定を再確認してみてください。

ここで中略。

ここから先、インストーラの操作についてはその辺の(PC用の) Debian のインストール記事と同じですので、省略します。

インストーラが一旦終了し、再起動した後

 再度 MacOS が起動したことと思います。さて、また penguin を起動するわけですが、今度はインストーラではなく、インストールされた HDD から起動しますので、設定を変更します。先ほどと同じように File メニューから Setting を選択し、カーネルには先ほどと同じ linux を、カーネルオプションには "root=/dev/sdan"(sdan のところは、インストール先のパーティションです。sda4 とかsdb3 とかですね)とします。RAM ディスクイメージの選択はもう不要です。今後はこの設定で起動しますので、この設定を保存します。File メニューから save settings as default を選択します。
 もう一度、File メニューから Boot を選択すると、今度は Linux が HDD から起動します。初回起動になるので、root ユーザやホスト名など設定項目がありますが、ここから先も PC 向けの説明を参照すればよいと思います。最後に dselect が起動してパッケージが選べますので、必要なものを + で選択してインストールしてしまいましょう。

 インストールが終わると待望のログインプロンプトが出ますので、設定したユーザ名でログインします。X Window は(パッケージがインストールされていれば) startx で起動します。

(2000.9.16)