Fujitsu FMV-BIBLO MC/30 (2005.1.30)

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A5であそぼ!

  これまで様々なキーボードつきPDAを扱ってきた結果、筆者の結論としてはA5サイズが持ち歩きにしてもキーボードにしても見通し(画面の広さ)にしても丁度よいようです。 しかしながら最近、最新版のCygwinの素晴らしさに触れたことで、この環境をコンパクトに持ち運べたら最高と思うようになり始めました。WindowsCEにCygwinを移植…なんていうスレッドもありますが、当面は実現しないと思いますので、A5サイズのPCを物色してみることにしました。

  調べてみるとFMV LOOX Sであるとか Victor Interlink XPであるとか(8万円前後から)がありますが、主に Cygwin だけできればよい筆者にはあまりにも高すぎます。昔のPCの中ではCrusoe搭載のCasiopeia Fivaなどもありますが、これらもまだ高い(5万円前後)ということで、それ以下になると MMX Pentium のようなかなり古いマシンになってしまい、Windows2000 の動作に差し支えが出てきそうです。A5サイズでWindows2000 が動作する中で最も安い機種を探してみたところ、このFMV-BIBLO MC(LIFEBOOK 6300MC)に当たりました。この機種であれば1.5万〜で購入できるようです。というわけでこの FMV-BIBLO MC/30 に決定。筆者は2.5万円で購入しました。

A5サイズのCE機よりは微妙に大きい

  実際に手にしてみると、A5といっても同じ富士通のInterTop CXのようにピッタリ教科書サイズというわけでなく、一まわり大きい、「A5ファイル」サイズでした。

  重さは、ワープロ専用機の文豪ARDATAやシャープのWindowsCETelios AJシリーズに比べればさすがに厚くて重いです(1.2kg)。ただ Telios と比べると実はバッテリの分だけ本機のほうが奥行きは短いです。

   液晶画面は8.4型SVGA(800×600)フルカラーということで、Telios AJシリーズと一緒です。この時期にはめずらしく、反射率の高い、いわゆるツルピカ状態になっています。

  チェックポイントのキーボードですが、写真の通り Telios より一回り大きくなっており、ストロークも多少深くなっています。CE 機に比べれば若干タイプしやすくなっています。


▲同じA5サイズでもTelios AJシリーズ(グレー)より一回り大きいキーボード。でも違いは周辺キーのみ。

 ポインティングデバイスは、クイックポイントIIIという、IBMのトラックポイントを大きくしてキーボードの下にもってきたようなものが搭載されています。モデルによっては「タップ」にも対応しているようですが、今回入手したモデルはタップは不可で、代わりに液晶がタッチパネルになっています。タッチパネル、WindowsCE では一般的なのですが、キーボード搭載モデルの場合、ホームポジションから手を離す必要があるタッチパネルは逆に使いにくいデバイスです。実際、ほとんど使っていません。
※前述の Telios AJシリーズ は WindowsCE機でありながら、タッチパネルは搭載されておらずクイックポイント似のオプトポイントIIが搭載されていますが、むしろ使いやすいです。

 外部インターフェース、これがなかなか良いです。本体にUSB1.1が2ポート、PS/2が1ポート、PCMCIA TYPE2、IrDA が付いています。しかしタッチパネルモデルの場合、PS/2マウスをつないでも使えません。BIOSの設定が3種類あり、タッチパネル+クイックポイント、タッチパネル+PS/2マウス、クイックポイント+PS/2がついていればPS/2、なければタッチパネル、となっているのですが、なぜか3番目にすると3つ全て効かなくなってしまいました。USBを含むすべてのポートがダミーカードではなくカバーが付くようになっているのは良いところです。IrDA もデスクトップとのちょっとしたファイル交換に便利です。
 加えて、標準装備のポートリプリケーター(VAIO NOTE 505 と違って本体にきちんと密着します)を背面に接続すれば FDD、VGA やシリアル、パラレルポートも使えます。リプリケーターを付けた姿もかなりコンパクトなままですし、なかなか格好も良いです。東芝やソニーと違い、バッテリがパームレスト部分にあるのでこれができるんですね。


▲背面に完全にフィットしているポトリ。

Windows2000 の導入、チューニング〜純正CDDなしだと多少面倒

  BIBLO MCはWindows98が初期搭載されていますので、Windows2000に入れ替えました。 ここではFDDあり、CDなしで行いました。富士通のFDDはジャンク屋さんで数百円で普通に売ってました。また、HDDの操作に、USB接続のHDDケースを使いました。
  富士通のサイトはサポートが充実しているので、ドライバ類やBIOSはきちんとダウンロード可能になっています。特にWindows2000 の導入前にBIOSをACPI対応のものにアップグレードする必要がありますので、BIOSアップデータとタッチパネル等のドライバを、あらかじめダウンロードしておきます。

  手順はまず、FDDで起動(Windows98で作成可能)してBIOSをアップグレード(されていない場合のみ。Ver.1.03以降であればアップは不要です)したのち、FDISKコマンドでHDDの初期化・領域確保をします。領域確保が済んだらFD上の起動ファイルをコピーして起動可能なことを確認します。
  次に、HDDを外します裏面の6本のネジを外し、パームレスト手前とヒンジ裏側のツメをはずしてキーボードを浮かせます。HDDは右手に入っていますが、ネジ等で固定されてはいませんので、コネクタのみ外せばHDDは外れます。
  外したHDDをUSB接続のケースに入れ、別のPCでWindows2000のインストールCDのi386ディレクトリをコピーします。
 コピーが終わったらHDDを再び戻します。もう筐体は開けないので、HDDをコネクタに接続し、セットしたらツメ、ネジを元に戻し、筐体を閉じておきます。
  あとはHDDで起動して、i386ディレクトリの中のWINNT.exeを起動するだけです。 Windowsのインストールが終わったら、タッチパネル等のドライバを導入してOSのインストールは完了です。

 最後に、高速なCPUというわけではないので、使わないサービスを止めるレジストリ設定を最適化するなどのチューニングはしておきました。

パフォーマンス〜決して遅くは無いが、速くはない

  何分Cygwinで開発できればいいというきわめて低い期待値でしたので、快適そのものです。具体的にはapacheを立ち上げてcko/screen/viでCGIを書いてFirefox、IEで動作確認して…という感じです。
  参考までに一般的な用途についても記載しておきますと、動画に関しては画面を16bitモードにして DivX4/MP3 の 352x240 のデータをフルスクリーンで観る分にはコマ落ちもなく、快適に観られています。画面が光沢ありなところもいいですね。
静止画やオフィスツール、メールやWebブラウズに関しては、何ら困ることはないと思います。
  グラフィックツールに関しては速度よりも解像度の低さが問題になり、常用には耐えないと思います。ただ、それでもWindowsCE機とは違って、緊急避難的には使えるというのは有難いことです(もちろん連続稼働時間や軽さは比べるべくもないですが)。ちなみにスタイラスでの描画はポイントの移動がドラッグ扱いにされてしまうようでうまくいきませんでした。


▲まだ購入可能なボディスーツ。Teliosとお揃いです。

▲コンパクトなACアダプタです。

  もちろん赤外線もPCMCIAもUSBもありますから、デジカメデータの吸い上げコピーみたいな用途にも便利に使えます。
   総じて遅くはないのですが、所詮Celeron 300MHzですから速くはありませんので動画のエンコード等には当然不向きです。。

オプション等〜ACアダプタは他社のものも転用可能

  現在メモリは最大の168MBにしていますが、今後の野望としてはHDDを7,200回転のものに変えて、パフォーマンスの向上度を見たいところです。

  富士通のPCをマイPCとして使うのは初めてなのですが、「ACアダプタがごつすぎてどうしようもない」のがちょっと持ち歩き上気になります(InterTop CXのACアダプタはコンパクトで大変良かったのですが)。どうしようか…と思っていたら、なんと VAIO NOTE 505とACアダプタは互換のようです。早速手元のPCGA-AC51を転用してみたところ、あっさり使えました。
  それとキーボード型PDAの友である本革ボディースーツ、まさか無いだろうと思ってエクストリームリミットさんのページをチェックしたら「ビブロMC30用」ってあって、しかもまだ買えるんですね!!びっくりです。早速注文してしまいました(写真参照)。

サブノートはA5に限る!でもサブノート自体不要?

  本体がA5サイズであれば上記のACアダプタだのネットワークアダプタだのを一緒にまとめてもB5サイズくらいに収まりますから、カバンの中でもカフェの机の上でも電車の中でもやっぱり場所をとりません。持ち運びやすい=活躍の場面も広がります。
 冒頭にも書きましたが、小さければよいというわけでもなく、サブノートとして使いやすさと運びやすさのバランスが一番よいのがA5サイズだと思います。モバイルギアのようなB5の半分のようなサイズではどうしてもディスプレイの見通しが悪いのです。シグマリオンIIIやリブレットでは小さすぎて、Web ブラウズとかちょっとしたメール以上のことをするには使いにくいのです。

 ただ、今やAirEdge Phone のような高機能な携帯もありますので、「サブノート」というもの自体、下火になりつつあります。メーカー側もB5の機種でも2スピンドル(HDD+光学ドライブ)内蔵=メインノート的な位置付けにしています。もちろんメインの機種がまったく無い方にとってはこういった製品が良いのでしょうが、デスクトップが別にあるなりメインのA4ノートがあるなり、といった状況であれば、ちょっと2スピンドルのノートでは「Too Much」(必要以上)な感があります。
 いくら高機能なPCを持ち運んだところで移動中なり出先ですることは所詮限られています。実際のところ、稀な場面のために光学ドライブまで持ち運ぶ必要もないし、XGAも本当に必要というよりは、あるに越したことは無いというレベルなのではないでしょうか。
 そう考えるとA5の1スピンドルサブノートというフォームファクタは今なおなかなか合理的な選択と思えるのです。

【2005.6.11 update】
今はcygwinではなくcolinux(0.6.3)で引き続き快適に使っています。あいかわらず不満はなく、稀にEthernetやVGAが内蔵だったらと思うことがあるくらいですね。あとFivaやInterlink XPのように英語キーボードモデルがあればよかったのに、とは思います。
(注:英語キーボードは存在したのでした。詳しくはこちらをどうぞ)

長所:小さく軽く、インターフェースも豊富。そこそこ高速。Windows2000/XPが動作する。
短所:スペアバッテリが高い…。あと、とはいうもののやっぱりXGAだったら最高…かなぁ。

 

★★★★☆(2005.1.30)

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