バンダイ ワンダースワン (2006.7.20)

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I'm not BOY

  筆者は携帯ゲーム機にはソフトの絶対数の多さは必要なく、長くきちんと遊べる数本の単純なソフトがあればいいと考えています。そういう意味でこのワンダースワンもまたある意味過不足ない機種のひとつで、もうソフトは増えませんが、これからもずっと遊べるゲーム機です。今回はワンダースワンの中から最終型の「スワン・クリスタル」を取り上げます。
 ※ちなみに"I'm not BOY"は、同じくゲームボーイの対抗馬だったネオジオ・ポケットのキャッチフレーズです。

薄さが際立つ透明な外観

  携帯ゲーム機にとって大切なのは筐体が小さく軽く持ちやすく、画面が見やすく、操作がしやすく、長く遊べるということです。

ワンダースワンの筐体は最近のゲームボーイミクロや、DSライトなどに比べると若干コドモ向けの変な形をしています。全体的にはWILLCOMのW-ZERO3くらいの面積ですが、厚さはガム型充電池を採用しており大変薄く感じます。重さも95グラムと携帯電話等と比べても軽量です。

画面は反射型2.8インチTFTカラー液晶を採用していますが、それほど画面サイズは大きく感じません。それをカバーするためか画面周辺は黒く処理されています(NTTドコモのシグマリオンIIIなどと同様です)。しかし画面の応答速度は速く、残像感のない見やすい画面になっています。ただカラー液晶が売りのようですが、反射型ではまわりの明るさによって見え方が大きく変わってしまうためカラー画面はやや見づらいことがあり、グレー(階調つき白黒)画面のほうが見やすいです。

電池の持続時間はアルカリ乾電池一本使用時で15時間と言われています。上記の充電池使用時はその40%くらいになるようです。

  持ちやすさ、操作のしやすさについてですが、ワンダースワンの特徴は縦に長く画面を使えること、十字キーを2つ使えることにあります。横に持っているときと縦に持っているときでは持ちやすさ、操作のしやすさは若干変わります。
横画面のときはゲームボーイアドバンスやゲームギア等と同じ形になるため特に持ちやすさ、操作のしやすさに問題はありません。方向キーが十字型ではなくプレイステーション風の4分割であるため、多少斜めの入力がしにくくなっています。
縦画面のときは若干キーの場所が下寄りになるため本体が支えにくくなります(ゲームボーイ初代のように、十字キーの下に余白が設けられていない)。特に充電池でなく乾電池を使っているととても持ちにくくなりますので、縦画面の作品で遊ぶときは充電池が必須だと思います。

夢の縦画面、ツインレバー

縦画面ができる家庭用ゲーム機はワンダースワン以外「光速船」と「ニンテンドーDS」くらいしかないはずです。また、十字キーが2つ(相当)使える携帯ゲーム機は「プレイステーション・ポータブル」くらいしかありません。
縦画面やツインレバーを採用したゲームと言えばゲームセンターのゲーム(いわゆるアーケードゲーム)です。この特徴を活かして移植ものが多数開発されることが期待されましたが、実際には殆ど発売されていませんので、結果として、特徴とはならなかったともいえます。

珠玉のソフト群

ワンダースワンといえば、パズルゲームのグンペイや、ファイナルファンタジーなどのスクウェア作品が有名ですが、これらは「BOY」でも遊べますので、ここでは独自性のある縦画面の作品を紹介します。

テトリス(パズル)

  一言で言うとよく出来ていて、手放せないと思います。

実は最近のテトリスはブロックの色や回転のしかた、ブロックが落ちてから固定されるまでの時間などがF1のようにレギュレーションとして決まっていて、その通りに動作しないとテトリスとして認められません。
ワンダースワンのテトリスはこのレギュレーションを忠実に実装しています。回転が都合よくできすぎないか?とかちょっと固定までの時間が長すぎないか?とか感じますが、それはレギュレーションの問題であって今ではすべてのテトリスがこの通り実装されています。
こういった仕様のため結果としてなかなか終わりません。ギリギリまで積みあがっても結構押し戻すことが可能です。速さも最高速の状態(レベル15)で、遅すぎず速すぎずというくらい。
縦画面を使うので画面が大きく見やすいです。電車の中などではカラーでは大変見難いので、白黒モード(Aボタンを押しながら起動)にしたほうがいいです。

クレイジークライマー(アクション)

フリークライミングでビルを窓伝いに登っていくという古典的アーケードゲームの移植版です。これもそこそこ良くできています。

ゲームはビルをフリークライミングで上り、屋上までのクライミングを成功させるゲームです。
進むにつれて手がかりになる窓が閉められてしまったり、しらけ鳥にフンを落とされてしまったり、住人に鉢植えを落とされてしまったり、キングコングに邪魔されたり、壊れたネオン看板で感電しそうになったり、しまいには鉄骨や幅広い看板が落ちてきたりする中をかいくぐって見事に成功すると、颯爽とヘリコプターで上空へ脱出することができます。

このゲームは元々クライマーの両手の動きを2本のレバーで再現していたため、これを2つの十字キーに置き換えています。画面はカラーから白黒にはなっているものの比較的忠実に再現しています。また、このゲームは音楽にヘンリー・マンシーニの曲(子象の行進やピンクパンサーなど)など著名楽曲を勝手に使っていることでも有名なのですが、ワンダースワン版では微妙にメロディーを変えつつも雰囲気を維持しています。ただ、残念ながら横画面から縦画面に変更されている関係上、プレイ中にスコアや全体の中でどの階にいるのかが確認できません(一時停止中に確認可能)。
ちなみにリメイクものにありがちなアレンジ版も収録されていますが、やはりありがちな通りイマイチです。
※ちなみに筆者はオリジナルのクレイジークライマーを所有しています。

ジャッジメント・シルバーソード(シューティング)

縦画面のありがちなシューティングゲームで、普通といえば普通の出来です。

宇宙戦闘機で前方から押し寄せる戦闘機やミサイル等をかいくぐって進んでいき点数を競うゲームです。短いエリアに区切られていて、エリアごとに多様な攻撃や、ボス・キャラクターが出現します。これらを武器やバリアーを駆使して全滅させれば次のエリアに進みます。

どこかで見たような連射、弾幕、編隊飛行、ボス…が次々と現れるというもので、オリジナリティは皆無だし、キャラクターデザインも一般のソフト会社のものに比べると優れているとも思えませんが(あえて言うとレイドック風)、ワンダースワンには他にシューティングゲームが一切無く、みんなこういう普通のシューティングが欲しかったこともあって、大変貴重視されています(前述のように、移植が期待されたのに全く発売されなかったため)。もちろんここで言う「普通」は決して悪い意味ではなく、画面にしろ操作性にしろ難易度にしろ、厳しい見方をする人たちも含めたユーザーの期待値にビシっと応えているということです。

携帯電話のゲームでは物足りない

家庭用のゲームでいくら絵が綺麗になっても、十字キーやパッドで遊ぶレーシングゲームは物足りないのと同様に、携帯電話のゲームで絵がスーパーファミコンばりに綺麗になっても、中央十字キーやテンキーではアクションゲームやシューティングゲームをする気にはなりません。最高速のテトリスやハードなシューティングゲームで遊ぼうと思ったら、どうしても携帯ゲーム機が必要になります。
「DS」も頭の体操だのバーチャルペットだの英会話だのと一般的なゲーム以外の用途開発に必死なようですが、そんなものはいらないから普通にゲームがしたい、という方はハードオフのジャンク箱にあるワンダースワンでも十分かもしれません。

長所:白黒表示が綺麗。縦画面のテトリスが快適。電池は持つほう。余計な機能がない。筐体の色は綺麗。
短所:入手が困難。新しいゲームは供給されない。ヘッドホン「端子」がオプション。筐体デザインがもうひとつ。

 

★★★☆☆(2006.7.20)

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