Mobile Gear for DoCoMo (2000.10.20/2000.12.24/2001.05.29/2001.08.25)

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 今更、ドコモバを購入しました。というのも、3年弱のノートパソコン生活の末に、出先での使い方は文書作成とメールくらいしかない、という結論に達し、その用途に最も適した製品がこの、モバイルギアだったからです。

 この製品は1997年の製品で、もちろん現在既に絶版となっています。発売末期には、新品がかなりの安価で手に入ったらしいのですが、今となってはよい状態のものを手に入れようとすれば多少割高になります。しかし、残念ながらこの製品の直接の後継機にあたる製品は、存在しません。実はモバイルギアIIというのがあるのですが、これは多機能になり、高価で、それほど電池が持ちません。私にとっては文章作成以外は余計な機能であって、それとトレードオフで高価になったり電池が持たなかったりというのでは困ってしまうのです。そういうわけで、今回はオークションで譲っていただきました。

 スペックを見ただけでも、大いに期待できることがわかります。重さは550g。B5ノートパソコンの1/3です。電池持続時間は、30時間です。ノートパソコンの20倍です。そして、ポケットボードのような、ゴムキーではなく、プラスチックの固いキーボードがあります(なんと、スペースバーは、私のノートパソコンより長いです)。PCとは赤外線でファイルのやりとりができ、標準で携帯電話接続ケーブルがついていて、さらに拡張用にPCカードが使えるようになっています。これで6万円と言われたら払えませんが、いくら高くても2万円はしません。そして、これも重要なのですが、多くのファンページがあり、ユーザに愛されていることがわかります。これはとても安心できます。

 さて、実際に手に入れてすぐ、実際に使い始めてみましたが、やはり、想像の範囲ではわからなかった感動があります。蓋を閉じると電源が切れ、開けると電源が入りますが、ノートパソコンのサスペンドやハイバネーションみたいなタイムラグは全くありません。電卓と同じで、騒音も、キーを叩く音以外はありません。ディスプレイはバックライトも無い4諧調モノクロ液晶ですが、これも想像以上によく見えます。反応の遅さは感じられるものの、電車の中でも部屋の中でも、全くみにくさは感じられません。もちろん、持ち歩いても、全然重い感じは無いです。
 ことハードウェアに関しては、完璧に近いです。こと文書書きに関しては、Crusoe 搭載機でも、ちょっとかなわない感じです。さて、クリティカルなソフトウェアであるところの『エディタ』『メール』『PC接続』についてはどうでしょう。

 まずエディタですが、今みたいに PocketATOK というわけにはいきませんから、漢字変換には感動はありません。ただ、『言撰り』のような大馬鹿ぶり、というわけではないので、許容範囲です。キーバインドも、Ctrl+ASDF で前後する、はじめてでもそれなりに覚えやすいものです。Shift+カーソル移動で範囲選択、Ctrl+ZXCでカット&ペーストもできます。そして、語彙は寂しいですが、国語辞典と漢字辞典もついています。
 というわけで、エディタはまずまず普通の出来です。ここで贅沢を言う気はないので、問題ないです。
 ※贅沢を言う方にも、DOSのエディタを入れるなり、BSD上でEmacsなりviなりを使うという選択肢が、残されています。

 次に、メールです。一言で言って、古いです。露骨に、パソコン通信のメール機能のオマケとしてインターネットメールをサポートしたという感じですので、Reply-To:の指定だの、マルチアカウントだのといった機能はありません。特に苦しいところとして、最近のプロバイダにありがちな、「一度受信してからしか送信できない」という制限には、全く対応できません(受信時は受信してすぐ回線を切ります)。ですので、Procmail 等を使ってサーバ側でいろいろがんばらない限りは、あまり使えないかもしれません。単純な受信は、問題なくできます。
 ※これも、DOSのメールクライアントを使うという選択肢もないでもありません。

 最後にPC接続ですが、PC側で専用のソフトを起動して、赤外線で通信します。それほど操作性が高いとは言えませんが、とりあえず簡単に送受信できます。問題は、専用ソフトが Windows98 用ということです。世間は当然 NT/2000 へ移行していくわけですが、NEC に 2000 対応版を出す気があるかというと、ちょっと怪しいです。

 他にも、スケジューラとか表計算とかいろいろありますが、この辺はオマケ的なものでしょうから、期待もすべきではないし、評価するようなものではないと思います。
 この手の、個人の事情によって期待されるソフトが異なるようなハードでは、Palm のように、フリーウェアなどがその辺を吸収してくれることが期待されますが、Mobile Gear の場合、残念なことに、開発キットは有償で、しかも絶版のようなのです。シャープは当時 4 万円近くした X68000 の開発キットを無償で公開しているのですから、NEC さんも開発キットとか仕様書を、公開してほしいところです。Linux 対応で稼ごうというのもいいですが、開発者コミュニティと良い関係を作るというのはまずそういう姿勢を見せるところから始まるのだと思います。

 トータルとして、メールだけは残念ですが、それ以外は期待通りの機械でした。こういうコンセプトの次世代機が、出ていないのが残念です。同スペックで、メールをインターネットに特化した新しいものに変えて、PocketATOK を積んで、i モードレベルのブラウザがついたタイプが、欲しいところです。もちろん、カラー液晶なんて要らないです!

【2000.12.24 update】
 最近はフリーソフトの『タスク』『CardBaseProcessor(ショートカットがIMEと当たっているのが残念)』が便利で、愛用しています。
 NEC がニフティ用メールアップデートというのを出していて、これを当てると POP before SMTP に対応するようです。
 PC とのファイル交換ですが、母艦が Windows2000 に移行したため、結局コンパクトフラッシュカードを使うことにしました。スマートメディアが余っていたのですが、スマートメディアアダプタよりコンパクトフラッシュアダプタ(780円)+メディア(6M/1500円)のほうが安いのです。

【2001.5.29 update】
 全く液晶が点灯せず、起動しない状態になってしまったのですが、原因は電池の入れ方にありました。主電池より副電池を先に入れると、副電池が消耗し、あっという間に切れるそうです。で、副電池が死んでいると、AC アダプターを接続しても起動しないのです。これは副電池がないとPCカード以外にはなにも保存できないという理由による仕様のようなのですが、ちょっとびっくりしました。結局『新品の副電池を購入』『新品の主電池をセット』『購入した副電池をセット』『電源ON』でようやく復活です。この順番を間違えると、また副電池購入からやりなおしです…(こういう重要なことは、筐体に直接書いてほしいです…)

【2001.6.3 update】
 電源に関してもう一つ。
うぎゃー立ち上がらない、終わった。と思わせる場面が、ほかにも多々あるようです。 充電池を使いきった状態で、ACアダプタを挿した場合にも、やはりすぐには使用することができません。ある程度、主電池に電気が貯まるまで、たとえACアダプタを使用しても使用することはできないのです。ですから、充電池を使い切ったあとは、一旦ACアダプタを挿し、電気が貯まるまで放置するほかありません。
 また、充電しているつもりで充電できていないパターンとしては、副電池が切れてしまっていると、ACアダプタが挿され、充電池がセットされていても、充電が行われません。また、電源ONの状態では、充電は行われません。
 ノートパソコン感覚だと、この辺は落とし穴だと思われます。

【2001.8.25 update】
 先日、クッションバッグに入れた状態で、手元の高さから床に落下してしまったところ、液晶表示がおかしくなり、あっけなく死んでしまいました。いくらなんでも、これはヤワすぎるような気がしましたが、しかも、修理には2万もかかるらしいとのことです。ということで、残念ながらこのレビューもこれが最後の更新になってしまいました。

長所:「パソコンが他にあるのを前提とした携帯ワープロ」の最高峰!?
短所:メール機能仕様が古い!!…

 

★★★★☆(2000.10.20/2000.12.24/2001.05.29/2001.08.25)

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