Mozilla Firefox RC1 (2004.11.5)

  既存のIEベースのタブブラウザ群、Opera 以上の話題になっている Mozilla Project の Web ブラウザ“Firefox”を使ってみました。まあ、話題になっているのであれば使ってみるかという感じで使い始めたのですが、気がつけば常用するようになってしまいました。 

  Firefox を使うまでの最近の常用ブラウザとしてはMaxthon(MyIE2)を使っていました。理由は Google ツールバーが使えるタブブラウザで、IE互換である(Internet Explorer でできることはできる)ということでした。Mozilla や Opera もメジャーなリリースでは使ってみるのですが、非常に多用する Google ツールバーが使えないことや、MHTML 保存ができないこと、使い勝手やレイアウトにちょっと癖があると感じることから常用には至っていませんでした。 

  今回使っているのは Firefox の Release Candidate 1 です。一般には Preview Release が、テスターには Release Candidate 2 が既に出回っているのですが、その中間のバージョンです。 

  使ってみるとMozillaのように起動が遅くなく、画面もシンプルです。描画も早く、第一印象から使い勝手がよさそうです。実際、表示上の不具合もほとんどない感じです。基本機能としてはブックマークもインポートされてそのまま使えますし、ブックマークの編集画面も比較的使いやすいと感じました。ブックマーク以上によく使うのが履歴機能です。実は前述のMaxthonには最終アクセス日時順での表示ができないという不満点があったのですが、Firefoxではちゃんと表示できました。 

  ここまで試用した時点で感じた問題点は2点あり、1つはgoogleツールバーが使えないこと、もう1つはMHTML保存ができないことでした。前者については特に「サイト内検索」ができないのが痛いのですが、実はサイト内検索は Bookmarklet で十分対応できることがわかり、この問題は解決です(注:拡張機能の Googlebarでももちろん可能)。後者については、Mozilla Archive Format という拡張機能を導入することで MHTML 形式の表示・保存ともに可能になりました。 

※私の環境(MAF 0.4.1)では残念ながら Mozilla Archive Format を導入すると「HTMLの<BASE>が全く効かなくなる」ようです。 

  この時点で残る不満は、好みの問題である画面デザインくらいしか無くなりました。しかしこれも、IE 風のテーマである「Luna」や「IE5」を導入することで違和感がなくなりました。ここまでくると常用しない理由がないですね。今は他にダウンロードマネージャーである Irvine との連携機能、Maxthon から利用している AI Roboform の機能も導入しています。 

  以前、サイトを作る側からするとブラウザ戦争はけして歓迎はできなかったのですが、以前のように表示上の拡張機能が競われることがなく、表示は「標準仕様準拠」にとどめてくれるのであれば、使い勝手における戦争は悪いことではないですね。 

使い始めてあっという間に半年経っていますが、内蔵機能ではやはりライブブックマーク(RSS)とスマートキーワードがかなりいいです。RSS対応サイトが増えてきていますので大変重宝しています。まだ一部 IE と異なるレンダリングとなるページもあるのですが、これも IEView プラグインで対応できます。MIPS WindowsCE 版があれば最高なのですが…minimoプロジェクトに期待です。 

Netscape 3 というスキンを適用して、ツールバーの設定を「アイコンと文字」とするとなかなかノスタルジックで良いです(右図参照)。 

Firefox 向け google ツールバーの配布が始まりましたので早速導入しています。また、Firefox 拡張機能版の GMail notifierも登場しています。 

描画がさらに速くなったバージョン1.5RC1に乗り換えました。 機能拡張やテーマがまだついていきませんが、Google ツールバーは対応済み。MAF はインストーラの対応バージョンを書き換えれば大丈夫なようです。BBS2chReader は動かすだけなら最新版の一つ前(0.2.7)のほうが手間なく導入できます。 

引き続きバージョン2.0を使っています。 MAFは非常によく使うのですが、開発が進まず放置されているようです。とりあえず2.0でもインストーラの対応バージョンを書き換えればMHTでの保存はできるようです。また、上の画面写真でも使っているテーマのLunaも2.0対応版はリリースがないようですが、これもインストーラの対応バージョンを書き換えれば大丈夫でした。 

これら以外の常用機能拡張は、IETabとGMailManagerくらいです。 

長所:起動・表示が高速。タブ対応。Internet Explorer との表示における高い互換性。カスタマイズ性と拡張機能。マルチプラットフォーム。 

短所:特になし~Mozilla Archive Format の完成度が上がればなおよしですVer.up して問題解消しました。 

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GMail – Google による電子メールへの取り組み  

 我が家は、未だにナローバンドです。そしてナローバンドユーザーにとってスパムは脅威なのです。メールクライアントにスパムフィルタがあっても無意味です。なぜなら受信してからの判断なので、結局何百通もあるスパムを受信しなければならないからです。最近まで使っていたWZMailのように、ヘッダのみ受信できるメールクライアントを使っても、ヘッダの受信だけでもナローバンドでは数分を要し、その中からPOPのタイムアウト時間内に必要なメール以外を選択して削除し、再接続してPOP受信しなければなりません。もちろん操作ミスしてしまうと必要なメールだけを削除したり、もう一度膨大なスパムのヘッダを受信しなおしたりしなければなりません。つまりPCのメールクライアントではもはや対応できないのです。 

 この度使い始めた Gmail は Google による、いわゆるWebメールです。Webメールというと昔からある Excite メールとか Yahoo! メールを想像しますが、送受信できればいい、という程度の昔からのWebメールに比べて使い勝手が遥かに良くなっています。 

強力なスパムフィルタ 

 スパムメールは全く何も設定しなくても自動的にスパムフォルダに入ります。どうしてスパムの判断ができるか、ということですがスパムは多くのユーザーに順次に配信されます。GMailは膨大な規模のWebメールですから多くのユーザーに届いた共通内容のメールを識別することができるはずです。実際、筆者の迷惑メールフォルダには現在1,300を超えるメールが格納されていますが、うちフィルタできずに受信トレイに現れたメールは数通だけです。ただし、スパムではないメールをスパム扱いした場合も一度だけあります。これはおそらく私が転送でGMailを使っているため、GMailアドレスとTo:で指定されたアドレスが異なるためではないかと想定しています。 

 ともかく、このスパムフィルタ機能で筆者はスパムメールのヘッダを長々と受信する憂鬱から開放されました。 

アーカイブ、ラベル、スター~管理機能も慣れれば使いやすい 

 実はGMailにはフォルダの概念がありません。ではどのようにメールを管理するのかというとラベルをつけるのです。1つのメールに複数のラベルをつけることができますから、仕事のラベルをつけてアポイントのラベルをつければ、仕事をクリックしてもアポイントをクリックしてもリストアップされます。フォルダにしてしまうとこういうことはできませんよね。 

 また、ラベルをつけるだけでは受信トレイから消えることはありません。受信トレイから消すときは、アーカイブという処理をします。何もラベルをつけずにアーカイブすることもできます。アーカイブしたメールを見るときは、すべてのメールを指定するか、Google得意の検索をかければよいのです。 

 ラベルをつけるでもない、とりあえずチェックマークをつけておきたいような場合にはスターという印をつけられます。これも、つけておけばスターあり、という指定で呼び出すことができます。 

表示機能 

 Webメールですから当然ながらHTMLメールには対応しています。ですが外部画像の表示は初期状態でオフになっています。外部画像の表示によって勝手に情報が送られたり、リクエストが出たりしますが、こういった危険も考慮されています。 

モバイル対応 

 実はGMailは最新のブラウザでしかフルには活用できません。しかし、古いブラウザでも制約はあるもののアクセスすることができます。京ぽんことAH-K3001V(WILLCOM)でアクセスすると、まさにこの制約モードになりますが、きちんと機能は利用することができます。また、WebメールでありながらPOPアクセスも可能になっています。 

もう一歩な点 

 これで異なるメールアドレスでの送信ができれば最高なのですが、これはできません。Reply-to:指定までです。筆者はこの部分に限っては freebit の UbiqMail を使うことで代用しています。 

メールクライアントの世代交代 

 本来メールというものは一元的に管理したいものですし、安全な場所に保管しておきたいものです。Google という今や私たちのライフラインとなっているサービスがメールの管理をしてくれるというのは手元のPCで管理するより遥かに安全かつ便利です。メールの管理というもののありかたに対して革新的なアイディアを提供するGMailは、たとえブロードバンドユーザーやスパムの来ない方であってもかなり便利に感じられるのではないでしょうか。 

長所:Webメールの強みとメールクライアントの使い勝手を高レベルで両立 

短所:制約モードではユーザーインターフェースが英語になります。まあ、いずれ治るでしょう。